辻本哲郎 ホームページへようこそ!

river

トップ   プロフィール   講演資料   連絡先

◆ 近況報告 ◆ 2023.6.25

 ご無沙汰です.HPは3年ぶりの更新.
 前回はコロナ禍が始まって半年足らずの時点.ライフスタイルの転換が余儀なくされたなかで,いろいろ思ったことを綴りましたが,結局3年間,その繰り返し.やっと今年度はもとの社会への回帰.あのときも書きましたが,ただ単にもとの社会に戻るのでなくこの3年苦労したことをポジティヴに受け止め新しい社会の仕組みにしていきたいと強く願っています.
 この間に時は流れ,この3月には名大退職1年後から7年間務めた河川情報センター・河川情報研究所長も退任,東京半蔵門のオフィスを中心にしたライフスタイルを,生まれ故郷・奈良を中心に据えたスタイルに転換しようとしています.様々な仕事を全国各地で,また対面やWEBの両方を駆使してこなそうとすると,東京に拠点を置くのがやはり便利だと今更ながら実感しますが,価値観や仕事の仕方を変えてこれまで以上の効率とともに味わいのある生活の両面を全うしたいともがいています.この3年間,親しい人には「奈良だより」で,奈良の歴史や文化に,自身の歴史や生活を重ね,A4で1枚の「便り」を残してきたように,なかなかHPという便利なものも持ちながらそれを十分に使いきれなかったことも苦い経験です.そのうちその一部をこのHPでも紹介をと思っています.さて名大を退職してから8年,退職した年に甲状腺癌で大きな手術を経験しましたが,その後,必ずしも節制,鍛錬はできていないものの,健康に過ごせています.コロナ禍の制約が解消されたこともあり,このHPだけでなく,それこそ対面で皆さんとお会いできる機会ができるのを楽しみにしています.
 さて,いまだに最大の関心はやはり「河川・流域」で,河川・流域の現象把握や管理能力の精鋭化,さらには啓蒙による市民の協力で,最近の激甚な水害の軽減や,水資源活用,河川・流域環境の保全などに微力ながら貢献できたらと願っています.そうしたなかで,研究者,技術者,行政の間での議論の活発化や,次世代への必要最小限の認識Knowledge Minim-umを伝える努力を続けています.このHPでも,技術者に工学基礎から現場技術への橋渡し(その逆も,つまり研究者が実務の片鱗を知る),工学と社会技術をつなぐ相互認識などの活動に利用した素材などその一端を見ていただけたらと思っています.
 ついこの間は,東大寺学園中学の3年生の理科の2コマをいただいて,全5クラスの200名近い生徒に「水の惑星・河川?流域」という特別授業をしてきました【授業PPTは こちら】.河川法改後10年以上たって誕生した若い世代.孫のような生徒に囲まれ,和やかな授業ができ,うれしい経験でした.そのときのPPTを添付しておきます.ちょっと難しすぎたかな?でもいろんな質問が次々に出るなど反応は良かった...   
2306LecinTDJ

◆ 近況報告 ◆ 2020.7.13


 梅雨前線に伴う線状降水帯による豪雨災害.
毎年のように繰り返され,なすすべがない状況.せめて的確で具体的な予報とその伝達によって,生命が失われないような仕組みができまいかと思うばかり.昨年度末以降コロナ感染症の蔓延で落ち着かない2020年度.先日の首都圏との往来自粛も解除に伴い,3月までと同じようにweek daysのほとんどは東京で過ごすパターンを再スタートさせたのですが,第2波来襲で,この先再び不透明.
 4月からの3か月のStay Home,実は,小生にとっては半世紀ぶりの経験.1969年京大に入学したときの大学紛争によるキャンパス封鎖.最初は戸惑いましたが,教養部の心ある教授たちがさまざまな接し方(吉田山山上での講義や,近郊への歴史地理の臨地講演)や,初めて出会った同級生との数学などの自主ゼミ,余裕のある時間での歴史散策など..京都や奈良は格好の地でもありました.今回の余裕のある時間も,その頃と同じ奈良近郊の寺社や大和盆地の歴史的景観を,50年で皴の増えた頭脳を働かせて,より有意義なものとすることができました.家に籠る運動不足の解消にもなる一方,却って自分の専門的な仕事にもプラスでした.もっとも社会もこうした状況に対応,WEB会議なるものがだんだん活発化してきました.最初は慣れなかったものの時空間を節約できる利点は素晴らしい.コロナ後も積極的に使えればいいとさえ思います.とはいえ,せっかく顔が見れても,ちょっとした「余計な」会話は憚られるし無機質ですね.
 そうこう言っているうちに,自粛解除宣言で,世の中,下手したら元通りの過密多忙時代に逆戻りしそうな気配.それはまあ良いとしても,せっかく身に着けた慎重さも忘れたら元の木阿弥.3か月のロスではなく3か月のゲインをこれからにいかしたライフスタイルを.ロスを取り戻そうと躍起になるとろくなことはないと思います.10日ぐらい前にはそう思ってたのが現実味を帯びてきた感があります.
 さて,HPの更新も永らく出来ていませんでした.この間の活動も今後の展開の中でまた紹介できるかもしれませんが,差し当たって,初のWEB講義(コンサルの新人研修),その時のPPTをアップしておきます.興味のある方は役立ててください(講演資料は, こちら).
 HPを更新していない間に,古希を迎え,京都・金沢・名古屋大の教え子に囲まれる機会も作ってもらえました.感謝の日々です.   

◆ 謹賀新年 平成己亥◆ 2019.1.1

 あけましておめでとうございます.皆様方におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます.
 H15年3月の名大退職後,これまで学徒の目からの河川・流域の研究で培ったものが少しでも社会や人類の役に立つためには,学・技術・行政の連携が何よりも重要と考え,そうした議論の輪を大事に活動しています.
  昨年もまた激甚な豪雨・洪水さらには地震で大きな被害が出ました.我々の専門とする河川工学を基盤とする治水行政,住民や社会の被害を軽減する水防災の仕組みは,相次いで来襲する災害を分析,新しい技術を絡めながら進展してきたはずなのに,次々に盲点がつかれるように被害が出て後追い的な対応を余儀なくされています.水災害を現象論的に体系的に理解し,関連すべきミッションの流れに取り込み,それらが連携できるようにという現在取り組んでいる活動と成果も少しずつHPを通じて発信していきたいと思っています.
  名大退職後は生まれ育った奈良を拠点にしたのですが,週の真ん中は東京,その往き帰りに名古屋や北陸の現場にと,ほとんど家から出ずっぱりです.もっとも週末は古都らしい文化に触れ,一方世代相応に孫の相手にと変化に富む生活を楽しんでいます.
  今後も,自分にできることが少しずつでも世の中のお役に立つよう努力するとともに,年の始めにあたり,全世界の人たちが希望に満ちた社会にむかって前進できることを祈念したいと思います.今年もよろしくお願いします.   
inoshishi

◆講演資料の更新 ◆ 2018.12.31

 「講演資料」のページを更新しました.
10月の建設コンサルタンツ協会RCCM更新研修での講義「治水と水防災〜豪雨洪水災害に備える」と,
11月の土木研究所自然共生研究センター開所20年記念シンポに招待された基調講演「河川法改正と河川環境研究20年」のPPTを掲載しています..   

◆講演資料の更新 ◆ 2017.12.7

 「講演資料」のページを更新しました.
 「応用生態工学20年の歩みと今後の展開」講演要旨と「激甚化する豪雨災害への対応〜治水・水防災の連動」PPTを掲載しています.   

◆金沢大学都市・河川防災講座でキックオフシンポジウム ◆ 2017.9.13

 先のたよりでお知らせしたとおり今年4月から非常勤ながら金沢大学の寄附講座「都市・河川防災講座」の特任教授を務めることになりましたが,そのキックオフシンポジウムを金沢の「しいのき迎賓館」で盛況のうち開催できました(8月31日).
 北陸は比較的大災害にさらされた経験は少ないものの,かつては鳶山大崩壊,手取川大洪水といった巨大災害にさらされたこともあり,最近でも金沢の歴史的な景観が浅野川水害で蹂躙された記憶は新しいところで,備えを大幅に上回る災害に対するレジリエンスが期待されているところです.こうした背景から「都市・河川防災講座」が構想されたのです.

 「都市・河川防災」の解釈としては次のように説明しています.従来の治水が洪水を河川内におさめる技術(計画・設計・施工・維持管理)だったのに対し,計画を超えるハザードに対しては,流域にあふれることが前提の中で「生命を守り」,「社会・経済の壊滅的被害を減災する」危機対応が必要で,対象は河川から流域に移ってきます.さらにその流域を,金沢という特徴を持った都市 (観光,国際交流,伝統技能)でシンボライズしようというものです.そこでは,河川工学だけでなくさまざまな分野での研究分野間の連携も必要になります. 小生がハリケーンカトリーナの衝撃以来かかわってきた中部でのスーパー伊勢湾台風への対応(東海ネーデルランド高潮洪水地域協議会,略称TNTの取り組み)は主として高潮対策で,台風経路とともにタイムライン管理をどうするかといった話でした.これに対し北陸では,台風来襲よりも線状降水帯などの豪雨を対象とした治水から危機管理が課題です.それを先導する地域の防災・減災の学の拠点を限られた時間内につくりあげたいと思っています.こうした視点でシンポジウムでは,TNTの紹介によって,大規模災害対応への視点の転換を訴えました(このときのPPTは「講義資料」からご覧ください.そこで簡単なこの講座の経緯も説明しています).

"  川に洪水を治める治水〜流域に氾濫するハザードへの危機管理対応へのパラダイムシフト.このパラダイムシフトがなかなか曲者です.われわれが活動している場は激甚な豪雨に対しては複数の河川の氾濫域.河川の管理主体がそれぞれの河川の治水計画を策定しようとした手法とはまったく異なるということの認識.1000年に一度程度の雨をL2と呼んで各河川の浸水想定が始まったばかりですが,河川ごとに雨が想定されるのでなく,豪雨域(レーダ雨量データの普及で,線状降水帯はしっかり認識できるようになった)の中にいくつかの管理主体が扱う河川があってそれらが順次破綻にさらされ被害が拡大していくことに留意しなければいけません.こうした災害の展開のなかでどのように生命を守り壊滅的な被害を減災できるか.それには,各河川でどのように計画が立てられ,どのように進捗させかつ維持管理しているかをしっかり把握していることが前提です.
 北陸の特徴のあるところでの議論が先行しますが,考え方は普遍で,治水から水防災,さらには巨大災害への危機管理行動と連動する体系についての研究を発信していけたらと思っています.   
170831

  

◆ 2017年も早や6月 ◆ 2017.6.23

 何も言わないではすまないとき.
 河川法改正が20年前のこの年のこの月.そのとき,この年創設された河川部会の原動力となった「新しい河川整備・管理の理念と其れを支援する河川技術に関するシンポジウム」(河川技術シンポには今もこの名前が生きている)を終えて,金沢大学から名古屋大学へ異動.この年は,環境影響評価法が制定される,応用生態工学会が創設されるなど,歴史の動きを感じながら自分も異動しました.それから20年.そうだったんだということだけですが,考えてみると,河川行政はどう進んできたのか..環境を河川管理の内部目的とし,基本方針・整備計画と河川整備の計画を2階建てにした..そのねらいはどのように生かされてきたのだろう.多自然川づくりは河川環境行政のシンボルで,これについては先週,多自然川づくり推進委員会の提言がありました.いいたいことの一部はその委員会の速記録に残されたはずですが,河川の環境行政は?治水も含めた河川行政はというとしっかり自分なりに評価しておきたいと思いながら,忙しさにかまけて..
 名古屋大学退職とともにそれまでとは違った目で「学」を見つめなおし,技術や行政との連携の糸口をつめたい願望に日々の行動が支配されています.それでも,学としての「応用生態工学」や「水工学」の行く末も気になるところではあります.応用生態工学も創設20年,昨年9月に会長として記念大会(数え年で20歳)を終え,つたない講演をしたところです.それを文章に起こすように学会から言われて,先日読み返して読み物化してみました(学会誌掲載予定).近々これにもアップさせてもらうつもり.これからは,どちらも,単に学としてだけでなく,技術や行政による実現・維持まで見通した展開に尽力したいと願っています.
 
 もうひとつの20年.
それは金沢大を去ってからの20年.実は1年以上前から,(一財)北陸地域づくり協会が金沢大学に河川防災の寄附講座を設立するので特任教授にとお誘いをいただきました.すでに,昨年4月から非常勤ではありますが(一財)河川情報センターの河川情報研究所長の職を与えていただき,気象から治水,水防災危機管理まで一気通貫で議論できる場での活動を開始しており,日常的に大事な寄附講座の特任を勤めるわけにはいかないとお断りしていました.それが非常勤というわがままな形でもということで,金沢大にある意味での復帰となった次第です.小生の,河川水理の原点は金沢時代の北陸の河川で培われたものであり,少しでも恩返しができればと思っています.テーマは都市・河川防災.河川の大規模氾濫が流域・都市域に伝播する状況での減災に資する技術や仕組みの開発と実装が目的(水工学・計画学・防災工学の連携).三人の特任教員の3年期限という限定された組織ですが,金沢大で土木教室を中心とした連携研究が出来る教員の体制・仕組みを考えていただき,限られた年限ででも,この地に防災・減災の拠点が根付くよう尽力したいと思っています.もちろん,名古屋でも,10年近くかかわってきた「スーパー伊勢湾台風」を想定した危機管理行動計画のたゆまぬ改良と実践に向けた努力をと考えています.いろんな場面でこれからもご支援,ご鞭撻ください.

 

◆ 謹賀新年 ◆ 2017.1.5

 あけましておめでとうございます.久々のHP更新です.
 2015年11月中旬に甲状腺がん摘出手術に伴って突然1か月あまり活動を休止しましたが, 昨年の正月休みから復活しています.
2016年度当初から,非常勤ですが一般財団法人・河川情報センターFRICSの河川情報研究 所長を拝命し,週の真ん中は東京に出かけていますが,これまで同様,毎日のように 元気に現場,研究会や会議を通して,河川・流域,防災・生態系保全にかかわる学術・ 技術・政策の橋渡しを目指して活動しています.退官後は専門的な分野だけでなくさま ざまな分野でも学びたいことがいっぱい.またこのHPで紹介できればと思っています. いろんな場面で皆様とお会いする機会があると思いますがどうかよろしくお願いします.
 この機会に,治水に向けた計画・設計・維持管理から水防災行動の一連化に向けたもの, 応用生態工学20年に寄せたもの,長良川水害40年を迎えた木曽三川流域のトピックスなど いくつかの 講演資料をアップします.   
niwatori

◆ 名古屋大学退職のご挨拶 ◆ 2015.6.24

 本年3月末日をもって,名古屋大学を定年退職しました.
 京都大学で水工学の勉強をスタートしてから数えると40年以上になります. 京都大学,金沢大学,東京大学,それにローザンヌ工科大学で素晴らしい師, 先輩・同僚,そして学生と交わることができ,また,専門とする水工学が貢献 できる学際分野や社会まで様々な方々と切磋琢磨できました.学術が技術になり, 社会に貢献できることを実感することができたとはいえ,持続的な社会への転換 へなお残された課題の大きさに,これからの若い世代に期待することとともに自 らやらねばならないやり残しも少なくありません.
 3月には河川学が河川・流域の整備・管理にどのように貢献するかについての 講演と,自身が展開してきた研究が学にどう根付いてきたかを「流砂の水理」と して普段の講義と変わらぬスタイルで話しできる最終講義の機会を得ました. また5月に教え子と教室が中心になって企画いただいた退職記念会では「流砂か ら河川・流域管理へ‐素晴らしい人たちとの出逢い」と題した肩肘張らぬ記念講 演をすることができました.これら3つの機会が良いけじめになりました.
 6月になってやっと,生活拠点を名古屋から奈良の自宅にしたのですが,まだ まだ国の審議会や委員会・研究会などの用務をこなしながら.徐々に新しい人生 への転換をと思っています.
これからも皆様からご指導,ご鞭撻をいただくことになるかと存じますが,これ まで同様にご指導・ご鞭撻お願いいたします.
退職関連の 講演資料も同時にアップします.   
shinsui
  

◆ ホームページの開設 ◆ 2015.6.24

 このたび,自身のホームページを開設しました.
退職に当たって,いくつかの講演会などの機会を設けていただいたのですが,より多くの方々にもその一部 をご覧いただきたいことや,退職後の自身を鼓舞することも含めて活動報告をしてみようと,慣れないこと に挑戦しました.
少しずつ工夫して発信していきたいと思いますので,気が向いた折にでも覗いてください.
 





累計アクセス数  (本日  ,昨日 

Copyrights (c) 2015 Tetsuro Tsujimoto, allrights reserved